伊能中図複製〈大日本沿海輿地全図〉
  高精細顔彩方式 完全複製 全8図 極彩色21万6000分の1
 

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ヨーロッパ人も驚嘆した正確な日本全図

「伊能図」は、伊能忠敬(一七四五〜一八一八)らによる、初の日本列島全体の実測という偉業の成果として作成された地図である。忠敬らは寛政十二年(一八〇〇)から文化十三年(一八一六)の約十六年半にわたり十回の全国測量旅行を行い、その踏破距離は約四・四万キロメートルに及んだ。その測量法は観測地点の緯度、諸地点間の方位と距離の測定に主眼をおいたもので、完成した地図は列島の北東部と南西部にやや東偏がみられるものの、その正確さは当時のヨーロッパ人をも驚かせたという。忠敬は地図製作の業半ば、七十四歳で没したが、『大日本沿海輿地全図』および『輿地実測録』はその遺志を継いで文政四年(一八二一)に完成、上呈され、明治の近代化以後も日本の基本地図資料として長く使用された。

フランスで発見された貴重な完本を修復

 精緻を極めた伊能図は大図・中図・小図と三種類制作されたが、本書はこのうちの中図を複製したもの。原本はイブ・ペイレ氏の旧蔵品で、一九七五年フランスで発見され、一九九五年に伊能忠敬研究会渡辺一郎氏によって確認された。国土を八分割して二十一万六千分の一の縮尺で描かれたもので、八枚全てが揃っている。天体観測の地点や複写のためにあけられた針穴まで正確に残る副本で、極めて貴重で資料的価値の高いものである。近年この原本(フランス中図)を譲り受けた日本写真印刷が損傷部分の修復を担当、原図の特色を損なうことのないよう同質の紙で欠損部分を補い、破れ目をつないでいくという根気強い作業が行なわれた結果、ここに約一九〇年前の偉業がよみがえった。

最先端の技術により質感まで忠実に再現

こうして完全に修復されたフランス中図を、高精細デジタルカメラにて撮影、十億画素を超える画像データをもとに複製した本図は、伝統の版画製作技術と最先端の高度な画像処理技術との融合により色調、風合い、質感に至るまで忠実に再現され、顔料インキのもつ優れた耐光性により従来と比べはるかに耐久性の高い複製物として完成した。用紙は特漉鳥の子和紙全面裏打ち加工を施し、サイズは原寸複製もしくは二分の一の縮小版の二種より選べる。日本国土の細部を明らかにしようと測量に挑んだ忠敬らの気迫を今に伝える第一級の資料といえよう。

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