

和洋古書善本特選目録第13号 和書の部(14)
光格天皇御遷幸之図
石田遊汀守善筆 近世中期写 紙本極彩色 古木函入 五軸 5,250,000円
紙高36.7糎、長サ(一)10米53.0糎、(二)9米58.7糎、(三)9米92.5糎、(四)9米34.0糎、(五)10米31.4糎。表紙は緑色模様入織物装、見返しは金箔。金色の題簽に「御遷幸之圖 壹(貮〜五)」と墨書。函書「御遷幸之圖 五巻」。極少虫入一部補修済
天明八年(1788)一月三十日、京都に発生した大火は御所・二条城をはじめ町の大部分を焼き尽くした。御所は寛政二年(1790)に再建成り、光格天皇は仮御所としていた聖護院から豪壮な行列をたてて遷幸した。本書は、その際の行列のようすを五巻にわたって描いた貴重な絵巻。
豪華な鳳輦は第三巻に描かれ、行列を構成する公家・武家たちは下級役人をのぞき名前をあげて描かれている。弓矢を帯した平安時代の武官風の服装が多くみられるなど、復古様式で再建された御所にふさわしい行列のさまが偲ばれる。また人々の顔立ちは、伴の人々にいたるまで目鼻立ち・輪郭などに個性をつけて描かれており、中には馬が歩こうとせず困っている人、そのようすを後ろから指して笑う人々、転んだ人、といった情景も描かれて、興を添えている。
作者は巻末の「法橋探真齋藤原守善冩(落款)」という署名から、石田遊汀守善(石田幽汀の次男、寛政五年没)と考えられる。
