和洋古書善本特選目録第13号 和書の部(18)
京洛月次風俗図巻
近世前・中期頃写 紙本極彩色十二図 桐函入 2軸 6,300,000円

紙高32.3糎、長サ(上)8米63.0糎、(下)8米39.0糎。表紙は黄土色地模様入織物装、見返しは金箔。函書「十二月巻 二巻」。湿気による変色や皺、折れ波の補修跡があり、絵にも剥落が数ヶ所みられるのが惜しいが、本文料紙には金泥で草花等の下絵が描かれ、紙背にも金の切箔を散らした豪華な装丁。
京都における月次の行事、風物などを題材とした絵巻。上巻冒頭に、暦の起こりや年中行事の伝統について触れた序文があり、その後、各月ごとに随筆風の文章の後に絵を載せる、という形式がとられている。文章は『枕草子』風の格調高い文体で、季節感、自然の風物、人々が行う行事のようす、その行事の由来などについて書かれている。名所を挙げる際に(八月の月、十月の紅葉など)、一般的な歌枕に続けて「都ちかきあたりには」などとして京都周辺の地名も挙げるなど、京都の地方色が重んじられている。絵は細かく描きこまれ、美しく彩色されたもので、先に説明された伝統行事の風景、人々のうち興じる姿などが描かれている。題材は町の正月風景(正月)、涅槃会の寺参り(二月)、鶏合わせ(三月)、藤見(四月)、端午の節句(五月)、祇園祭(六月)、盆踊(七月)、月見(八月)、菊見(九月)、紅葉狩(十月)、庭火(十一月)、歳末の町(十二月)。人物の表情、着物の柄など多様に描かれ、大路をゆきかう人々から宴に興じる公家風の人々まで、貴賎さまざまに季節を楽しむようすが見られることなど興味深い。

 
 

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