
和洋古書善本特選目録第13号 和書の部(23)
般若心経 (鼠跡心経)
鎌倉時代写 金箔装飾表装 桐函・帙入 1軸 735,000円
紙高24.1糎、長サ40.1糎。
もとの料紙の紙背に写経が書かれているが、裏打表装が施されており、何の写経か判読できない。この『般若心経』は草書体で、末尾に「沙門空海」とある。この草書体の心経は小字で、細字に筆癖があって一見鼠の足跡のごとく見えるところから、古来「弘法大師筆鼠跡心経」と呼ばれて伝えられている。しかし伝存する鼠跡心経には用字の不備、略字、誤字、脱字のあるものもあり、もとより弘法大師の筆ではない。もとは真言の僧侶が祖師尊崇の念から「沙門空海」の名を付して卒意のままに書写した鎌倉時代の日課経であろうとされている。しかしこの心経は後世さかんに「弘法大師筆鼠跡心経」として扱われてきた。本品は、蔵書家として知名な京都三条杉浦家旧蔵品である。