和洋古書善本特選目録第13号 和書の部(71)
八代集 (写本)
近世前期写 桐函入14帖 1,890,000円

縦約24.2糎、横約17.7糎。表紙少擦レ・少虫入
白茶、紺、薄水等色地表紙には金箔の散らしや草花模様等が描かれ、見返しは金銀箔貼り又は散らしなど、各歌集毎に趣向をこらした装丁がなされ、「古今和歌集 上」の如く墨書された菱形模様入紙で全帖の統一がなされている。各歌集の詳細は以下の通り。

古今和歌集』(二帖)  貞応二年七月二十二日の定家の奥書が写されている。いわゆる貞応二年本にもとづくもの。
後撰和歌集』(二帖)  巻末勘物の後に、天福二年三月の定家の奥書に加え、「此本付属大夫為相 頽齢六十八桑門/融覚」という藤原為家(定家の子)の奥書が写されている。いわゆる藤原定家天福二年書写本にもとづくもの。
拾遺和歌集』(二帖)  奥書には「相伝秘本 曽祖父京極入道中納言定家御筆」「正平七年二月二日 藤原為秀 判」「右之集近衛殿龍山被書之本を以写出之者也校合了」と見え、定家の曽孫冷泉為秀の蔵本を近衛前久(1536〜1612)が写したものにもとづくものとわかる。
後拾遺和歌集』(二帖)  奥書なし。巻第十四の巻末歌や巻第十五の巻頭歌などに一部語句が欠けているところがあり、「本ノマヽ」と注記を付すなど、原本を忠実に筆写した態度が見られる。
金葉和歌集』(一帖)  奥書なし。本文はいわゆる二度本系。
詞花和歌集』(一帖)  奥書なし。総歌数は三九七首で、精選本よりやや少ない。
千載和歌集』(二帖)  奥書なし。本文は室町時代以前に多く書写された乙類本の系統。ただし同系統に属する龍門文庫本などに比べ巻第十九の歌数が八首少ないなどの特徴がある。
新古今和歌集』(二帖)  奥書なし。本文はいわゆる第二類本系。撰者名・隠岐選出歌・切出歌について印は付いていないが、五首の切出歌が入っている(巻二に二首、巻四に一首、巻五に一首、巻十三に一首)。

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