和洋古書善本特選目録第13号 和書の部(80)
江戸雀 
十二巻 近行遠通撰 菱川師宣画 延宝五年刊 鶴屋喜右衛門版(後印本) 勝海舟旧蔵書
桐函入 1帙12冊 7,875,000円

縦27.0糎、横19.1糎。紺色無地表紙、四冊に刷題簽付。四周単辺、無界、匡郭内縦23.4糎、横17.0糎、毎半葉16〜17行。「勝安芳」他蔵印四種有。挿絵は巻一に見開き二図、巻二に二図(内見開き一図)、巻三に見開き二図、巻四〜八に各三図、巻九に三図(見開き一図)、巻十に四図(見開き二図)、巻十一・十二に各三図の計三十四図。巻十二巻末に「武州江戸之住/延宝五年丁巳仲春日 絵師 菱川吉兵衛/江戸大傳馬三丁目 鶴屋 喜右衛門板」の刊記がある。巻二第十四 〜十六丁の錯簡が正されていること、巻十の第九丁が省かれていることから、後印本であることが知られる。各冊表紙に蔵書票貼付・表紙変色及び一冊剥落有・少虫入
『江戸雀』の後印本には大きく分けて二種類が知られている。本書は後印第一種本(東洋文庫蔵本)と同じ刊記を持つが、本文は第二種本(京都大学図書館等蔵本)に近い。諸本の変遷を知る上で興味深い資料となりうるもの。
『江戸雀』は、浅井了意著『江戸名所記』(寛文二年刊)に続く江戸の名所記として刊行され、大路小巷の詳細な記載と、師宣による挿絵によって高く評価されている作品。いわゆる〈古版地誌〉のひとつ。

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