マイクロフィルム版 改造

 大正8年、東京毎日新聞の山本実彦が創業した改造社より発刊された雑誌『改造』は、大正デモクラシーの昂揚期に創刊され、大正末から昭和期にかけては「中央公論」と並ぶわが国総合雑誌の両翼的存在となった。論文欄には社会、経済、労働問題に関する特集テーマを掲げ、急進的な総合誌として成長をとげる一方、創刊二年目に連載された賀川豊彦『死線を越えて』がベストセラーとなり、幸田露伴・志賀直哉他多くの作家の代表作を掲載、谷崎潤一郎、芥川龍之介の「小説の筋」論争の舞台になるなど、文学面でも文芸誌以上の内容の重厚さを見せる。
 近代の歴史、思想史、そして文芸文壇を研究する上で不可欠な資料といえる『改造』の、創刊号から戦前終刊号までの約157,000頁をマイクロフィルムで複製する。

*官憲による弾圧で発禁処分になり、切り取られた頁など、今日一般に閲覧が困難な記事の大部分を収録。

*学術機関の図書館では欠けていることが多い附録類をすべて収録。
…「彦根屏風」(10巻11号)や「最新世界政治経済地図」(16巻1号)を含む、
綴込5冊、別冊6冊、貼込3点。

*原本にある広告頁や愛読者はがき・払込票などもほとんど欠けることなく収録。

マイクロフィルム 全94リール 定価(2,220,000円+税)  →詳細内容はこちら

*第1回配本 1巻1号 (大正8年4月)〜 6巻12号(大正13年12月)
*第2回配本 7巻1号 (大正14年1月)〜 11巻12号(昭和4年12月)
*第3回配本 12巻1号 (昭和5年1月)〜 15巻12号(昭和8年12月)

*第4回配本 16巻1号 (昭和9年1月)〜 18巻12号(昭和11年12月)
*第5回配本 19巻1号 (昭和12年1月)〜 21巻14号(昭和14年12月)
*最終回配本 22巻1号 (昭和15年1月)〜 26巻6号(昭和19年6月)

各配本毎定価(370,000円+税)

検索用CD-ROM 1枚 価格(50,000円+税)   →CD-ROMの詳細はこちら
  ※CD-ROM単体でのご購入の場合は価格(100,000円+税)となります。
 

*表紙・本文記事・広告を含む全頁のタイトル及び執筆者、広告主名を収録。
*三種の検索方法(通号目次一覧・カテゴリー・フリーワード)により、縦横な検索が可能。
*便利な「しおり機能」を搭載。

 

詳細内容見本をご用意しております。ご請求ください。

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KAIZO-03.JPG - 46,589BYTES KAIZO-02.JPG - 49,603BYTES KAIZO-04.JPG - 51,384BYTES 表紙画像(一部)

KAIZO-05.JPG - 54,246BYTES KAIZO-06.JPG - 42,594BYTES KAIZO-07.JPG - 51,237BYTES 附録画像(一部)
KAIZO-08.JPG - 41,791BYTES KAIZO-09.JPG - 32,982BYTES KAIZO-10.JPG - 49,170BYTES 附録画像(一部)

・・・推薦の言葉・・・

荻野 富士夫 (小樽商科大学商学部教授)/ジャーナリズムのトップ・ランナーとして

佐藤 卓己 (京都大学大学院教育学研究科准教授)/「戦間期」メディア史研究の宝庫

宗像 和重 (早稲田大学政治経済学術院教授)/『改造』 ─満身創痍の一冊から

須田 千里 (京都大学大学院人間・環境研究科教授)/大正・昭和期の思想・文学研究に必備の雑誌



・・・刊行にあたって・・・


時代の記録


大正8年(1919)4月、『改造』が創刊される。折しも第一次世界大戦直後、ロシア革命・ドイツ十一月革命に象徴されるような政治・経済・社会・文化のあらゆる側面における世界的な変動の流れは、日本にも押し寄せていた。旧態依然とした元老中心の強権的な政治体制に対する批判はいわゆる大正政変(民衆運動による桂内閣倒閣)や本邦初の政党内閣成立というかたちでひとつの成果を見たが、いっぽうで一部企業体による独占資本形成や貧富の差の拡大といった社会矛盾は深刻さを増すばかりであった。

 改造社の創業者、山本実彦は「この頃からジャーナリズムに(中略)社会思想の根拠のないものはだんだん指導性を失って来た。雑誌『改造』がそれらにたいし鋭き批判を下だすと、刺激と感激とが極端に起こってきた」(「『改造』の十五年」、『改造』昭和9年4月号所収)と振り返る。社会主義思想が広く浸透しつつあった大正期―そのような時代の思潮に即した誌面を実現するべく、福田徳三・河上肇・山川均らの画期的な評論を立て続けに掲載した『改造』は、創刊間もなく『中央公論』と肩を並べ、数多くの読者を獲得するに至った。

 また、山本実彦や彼と意志を同じくした編集者たちの熱意によって、社会科学分野だけではなく、文芸分野においても『改造』は総合雑誌としてより充実した内容を誇るようになる。初期より谷崎潤一郎・菊池寛・芥川龍之介といった当時新進の流行作家の作品を次々と掲載し、たとえば足かけ十七年にわたる志賀直哉「暗夜行路」の連載も話題になった。また小説家だけではなく、小林秀雄らのすぐれた文芸評論の書き手を発掘したことも忘れてはなるまい。

 無論、『改造』の刊行継続は決して順風満帆だったのではない。少なからぬ発禁・切り取りの処分を受け、時に関東大震災・太平洋戦争などの大きな困難を迎えながらも、つねに社会の要請を反映し、時代の最先端を走りつづけた雑誌であった。

 時代の記録そのものとも言える『改造』を、学術諸分野の要望に応えて提供することは私共の長年の希望であり、目標であった。このたび、『改造』の創刊号から戦前終刊号までを、マイクロフィルム版により現代に一挙再現できたのは喜びの至りであり、本書が大正・昭和期の社会・文化・文学研究の進展に大いに寄与することを切に願うものである。(文中敬称略)



平成22年5月

株式会社 臨川書店
 

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