増補 日本のミイラ仏

《臨川選書21》

松本 昭 著
四六判並製・300ページ/
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人間が肉身のまま仏になる即身仏――霊山・出羽三山に数多く残る即身仏の調査をもとに、日本のミイラ仏研究の足跡を記した書。即身成仏の真髄を語る秀快上人の調査をはじめ、今まで神秘に包まれていたミイラ仏の謎に迫り、その思想的な背景を探る。
増補版では特に<捨身入定>を実行した待定法師の最新調査結果に基づき加筆、仏教的側面のみならず政治・経済的背景からも入定ミイラを考察、今後の研究に新たな扉を開く。

待定(たいじょう)
貞享2年(1685)〜享保16年(1731)。山形県蔵増(現天童市)に生れる。47才で入定。現世の衆苦を救うため、母親・妻子を捨てて出家した良家の家長と伝える。度重なる飢饉、悪政によって地獄のような暮らしを送る民衆を救うため入定し、再びこの世に現れ出て衆苦を救い尽くすことを誓ったという。入定の直前には両の目・耳をはじめ、全身87箇所を短刀で切り刻み、その肉片を各地に送ってその地の守護としたと伝える。現在でもその肉身は守り本尊として多くの信仰を集めている。

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