日本古代の
神と霊

大江篤著
A5判上製・314頁
税込5,060円(本体4600円+税)
ISBN978-4-653-03967-9


― 「神」 と 「霊」 ―
その存在を古代の人々はどのように受け止めたのだろうか
 

 天変地異、政変が巻き起こす争乱、人智を超えた怪異、天皇の病――。
 古代に生きた人々は、常に様々な脅威に曝されていた。古代国家は、人心を掌握し王権を維持するため、こうした脅威を取り除かねばならなかった。――「神」「霊」、それは「脅威」を惹き起こす存在である。種々の脅威は、荒ぶる「神」「霊」を鎮めることで払拭される。鎮めの力を有することは、王権にとって国家運営の生命線でもあった。
 「神」「霊」に関わる「祟」「怨霊」、そして「供養」をキーワードに、古代の史料を読み解きながら、人々が認知しそして畏怖した「神」「霊」と、その存在の背後に隠された、歴史的事実を探る試み。
「神」と「霊」が照射する、古代の人々の心のうちにせまる意欲作。

・・・収録内容・・・
【第一編 神】
第一章 律令国家と「祟」
  第一節 「祟」と神祇官の亀卜
  第二節 神の怒りと信濃国定額寺
  附論一 「卜甲」
  附論二 「遷却祟神」祝詞
第二章 「祟」の展開
  第一節 陰陽寮と「祟」
  第二節 平安貴族と「祟」
第三章 律令国家と「巫」
  第一節 「御巫」の出自と任用
  第二節 「巫覡」と〈厭魅〉事件

【第二編 霊】
第四章 怨霊を語る者
  第一節 早良親王の「祟」と「怨霊」
  第二節 伊予親王の怨霊と川原寺
第五章 供養と信心
  第一節 「新儀式」の御願寺
  第二節 正子内親王と嵯峨野

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