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東海道の創造力

山本光正 著(国立歴史民俗博物館教授)
四六判上製 280頁
税込2,860円(本体2,600円+税)
ISBN978-4-653-03969-3

●著者による企画展で博物館でも東海道の旅を体験できます
国立歴史民俗博物館企画展『旅 ―江戸の旅から鉄道旅行へ―』(2008年7月1日-8月31日)


 古来から旅人たちの作品創造の原動力となった道、東海道。『伊勢物語』第九段東下りから岡本かの子の短編『東海道五十三次』に至るまで、東海道は多くの歌枕・名所を持ち、多様な文学作品・美術作品を生み出してきた。そうした作品を、古代〜近世の徒歩の「旅」と近代の鉄道等の交通手段を利用した「旅行」、「作品により作り出された名所」等の視点から考察し、旅人たちの姿と「東海道」という街道が持つ魅力・作品を生み出す創造力に迫る。


【関連書】
街道絵図の成立と展開 山本光正著
江戸見物と東京観光 山本光正著

【収録内容】

第一部 旅の時代

●第一章 東海道イメージの形成
第一節 創造力の核としての『伊勢物語』(『伊勢物語』の成立と東下り/八橋/宇津の山/富士山/すみだ河/東下りの呪縛)
第二節 『平家物語』の海道下り(源平合戦と平重衡の海道下り/歌枕/蝉丸伝承/野路の里
池田の宿と熊野/関所/橋/海道下りの普及)
●第二章 日記・紀行文学にみる東海道
第一節 『更級日記』(『更級日記』の成立/『更級日記』の旅程/憧れと現実が交錯した東海道の旅)
第二節 『海道記』(鎌倉時代の交通と紀行/『海道記』作者の出立から尾張国まで/八橋から宇津の山に至る/富士山と海の景―『伊勢物語』を意識した鎌倉までの旅/「事トフ鳥」の登場)
第三節 『東関紀行』(『東関紀行』の旅―出立から宇津の山まで/梶原景時の塚にあわれをもよおす/歌枕と実際の景観)
第四節 『うたたね』と『十六夜日記』(阿仏尼と『うたたね』の旅/阿仏尼晩年の旅『十六夜日記』)
第五節 平安・鎌倉時代の紀行文にみる『伊勢物語』の名所(都に最も近い名所「八橋」の実際/宇津の山と修行者/富士山の景/隅田川と都鳥/文化創造の原動力としての『伊勢物語』東下り)
●第三章 室町時代
第一節 『太平記』(道行文の名文/『平家物語』と『太平記』/永井荷風の絶賛)
第二節 中世後期の日記・紀行文学にみる東海道
一、『都のつと』(歌人宗久の画期的紀行文/宗久の関心のありか/東海道と西行伝承/『廻国雑記』にみる「鴫立沢」の西行伝承)
二、『正広日記』(歌人正広の富士見物の記/名所を辿る道中と知己との交流)
三、『紹巴富士見道記』(連歌師紹巴の富士見物の記/名所・旧跡・食の名物の記載)
四、その後の中世後期紀行文(宗長/戦国大名と新たな名所)
●第四章 近世の東海道
第一節 旅の大衆化(旅の隆盛/地方からの伊勢参宮/伊勢参宮以外の参詣の旅/旅費の調達
短期の旅と長期の旅/主な周遊ルート/文学作品の出版と大衆化/旅の大衆化と東海道文化)
第二節 近世東海道の名所と名物(東海道の風景/『東海道名所記』にみる近世前期の名所/名所としての建造物―城/名所としての建造物―石垣/名所としての建造物―橋/名所としての建造物―千貫樋/『東海道名所図会』にみる名所/近世に増加した東海道の名物/近世・近代に成立した名所/赤穂浪士討入りと泉岳寺)
第三節 俳諧と東海道(俳諧の成立と芭蕉の旅/『東海道名所図会』にみる芭蕉の句碑/地方文人の旅)
●第五章 描かれた東海道
第一節 『伊勢物語』の絵画化(近世以前の『伊勢物語』絵巻・工芸品/『伊勢物語』をモチーフとした近世美術)
第二節 東海道の地図・絵図(近世の東海道絵図/絵画として描かれた東海道図/真景図の登場)
●第六章 『伊勢物語』から近世までの東海道の創造力
第一節 街道の創造力と発展(旅人と創造力/名所の再生産と史跡・伝承の成立)
第二節 近世の旅と作品(大衆化された旅と文芸活動/芭蕉の登場と近世俳人の旅のイメージ/楽しむ旅の登場と名所案内・滑稽本)

第二部 旅行の時代

●第一章 旅から旅行へ
第一節 近代の旅(鉄道開通/近代の旅の見物対象)
第二節 旅行の時代へ(東海道線全通/東海道線の開通と伊勢参宮)
●第二章 探検・冒険と無銭徒歩旅行
第一節 近代の探検と冒険(探検・冒険書の出版/日本人の探検・冒険/福島少佐のシベリア単騎横断/郡司大尉の千島探検/探検・冒険への賛否両論/野中夫妻の富士山越冬への挑戦/河口慧海のチベット潜入/鳥居龍蔵と大谷光端の中国・中央アジア学術調査探検/白瀬矗の南極探検/槙有恒のヨーロッパアルプスアイガー峰初登攀)
第二節 民間人の冒険的世界旅行(中村直吉と中村春吉/中村春吉の冒険旅行)
第三節 鉄道旅行と無銭徒歩旅行(鉄道発達と旅の風趣/鉄道旅行の風趣/徒歩旅行への挑戦)
第四節 社会的現象としての無銭徒歩旅行(出版物にみる無銭徒歩旅行/大阪堂嶋中学校生徒の無銭徒歩旅行/鳥取一中学校生徒の無銭徒歩旅行/探検・冒険の日本的受容)
●第三章 旧道旅行
第一節 知識人による旧道旅行(作品が残る知識人による旅行)
第二節 第一高等学校校長菊池寿人と歴史学者大森金五郎の東海道旅行(行々坊菊池と歴史学者大森の旅行/新橋から小夜の中山―西行を気取り一首/志太鉱泉から箱根へ―『伊勢物語』をもじり一首)
第三節 記者中村楽天の徒歩旅行(楽天の略歴と徒歩旅行の契機/徒歩旅行の日程とコース/新聞記者楽天から見た山陰・山陽道の地域性/帰路東海道での静岡県知事面会/道中の歓迎と正岡子規の評)
第四節 流行作家伊藤銀月の「草鞋日記」(瀧田樗陰からの旅行依頼/スポンサー付き東海道旅行の記/好評を博した旅行記とその後の出版活動)
第五節 横山大観ら院展画家達の東海道旅行(東海道絵巻制作旅行/出立から京までの珍道中)
第六節 お札(ふだ)博士の観た東海道(「日本で一番よく知られた外国人」フレデリック・スタールの略歴/『お札博士の観た東海道』の出版/和服姿で東海道旅行出発/スタールの旅行目的と日程/著名な外国人の道中/スタールの関心事/旅の食事と風景/その後のスタール)
第七節 孤高の画家近藤浩一路の東海道旅行(画家近藤浩一路の徒歩旅行/道中の交流)
第八節 土岐善麿の「駅伝五十三次」(始めての駅伝/東海道ジオラマ制作についてスタールへのインタビュー記事/土岐らの東海道旅行)
第九節 大谷尊由と井口華秋の「東海道五十三次図巻」(大谷尊由と井口華秋/二人の東海道旅行/近世的風景と近代的事物の融合)
第一〇節 水島爾保布の「東海道五十三次」(東海道旅行の目的/描くことの本質と筆捨山/富士山に対する姿勢/鉄道の位置づけ/東西を分かつ箱根/爾保布の『東海道五十三次』と『膝栗毛』)
第一一節 岡本一平らの「東海道漫画紀行」(岡本一平と東京漫画会/旅行の目的と意気込み/旅程と成果)
第一二節 旅行家の東海道旅行(吉原良三と東京旅行クラブ一行の徒歩旅行/吉原らの道中/『実地探勝趣味の旅行』に序文を寄せた旅行家たち/吉原の東海道・中山道観)
●第四章 近代東海道旅行の総括―岡本かの子の『東海道五十三次』―
第一節 近代の東海道旅行(東海道と鉄道・自動車の登場/旧道の再発見)
第二節 岡本かの子『東海道五十三次』(『東海道五十三次』/初めての東海道旅行―「東海道人種」と吐月峰の灰吹き竹/「東海道人種」作楽井と東海道の魅力/「私」の二回目の東海道旅行/「私」の三回目の東海道旅行/作楽井の息子との出会い/『東海道分間絵図』)

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