中国江南マニ教絵画研究
Studies of the Chinese Manichaean paintings of
South Chinese origin preserved in Japan

吉田豊・古川攝一 編
A4判・クロス紙カバー装・322頁+カラー口絵20頁
本体18,000円+税

ISBN978-4-653-04117-7


日本現存の江南マニ教絵画を一挙に紹介!

2007年以降、日本国内で相次いで江南マニ教絵画の現存が確認され話題となった。本書では、マニ教の宇宙観の全体像を伝える「宇宙図」はじめ、国内の貴重なマニ教絵画全8点の精細なカラー図版と、内外の研究者による最新の研究成果を一書にまとめる。発見当時の興奮と謎の解明への期待に満ちた、マニ教研究必備の資料。

<目次抜粋>
第1部 新出のマニ教絵画を理解するために:教義の概説と東方マニ教史概観(吉田豊)
 前編 マニ教概説:M. Boyceの解説から
 後編 マニ教の東方及び中国への伝播と江南のマニ教
第2部 絵画の内容の解釈をめぐって:絵画に表現されたマニ教の教義と教会の歴史(吉田豊)
 前編:絵画の解釈
 後編:付随する問題
第3部 研究編
 1 栖雲寺の画像をめぐって(泉武夫)
 2 江南マニ教絵画の図様と表現―元代仏教絵画との関わりを中心に―(古川攝一)
 3 文献と絵画の資料に見えるマニの絵画本についての情報について(Zsuzsanna Gulácsi/吉田豊 訳)
 4 中国のマニ教宇宙図のアトラスについて(Kósa Gábor/井上尚実 訳)
 5 中国のマニ教宇宙図に描かれた裁きの場面:図像の起源と宗教的なメッセージ(Kósa Gábor/池松 パプ ガブリエラ・池松裕史 訳)
 6 中国のマニ教宇宙図の「光輝の保持者」について(Kósa Gábor/井上尚実 訳)

【マニ教とは】
3世紀のメソポタミアで、マニを開祖として起こった宗教。教義は厳格な善悪二元論。布教の過程でその土地で優勢な宗教(たとえば、西方ではキリスト教、ペルシアではゾロアスター教、中央アジアや中国では仏教、など)の要素を取り込み、短期間で広範囲に伝播した。布教の方略として、文字媒体や絵画を積極的に使用したことも特徴。15世紀頃には消滅したとされるが、福建の霞浦では清朝滅亡後もマニ教徒の後裔が存在していたことが確認されている。

【本書の特徴】
◎2011年6月に大和文華館で開催された国際シンポジウム「マニ教絵画をめぐる諸問題」の書籍化。
◎日本国内の江南マニ教絵画は次の8点。いずれも元代〜明代初期にかけての作例と推定される。
 ・六道図(個人の終末論図) 元代 大和文華館蔵
 ・宇宙図 元代末〜明代初期 個人蔵
 ・天界図(A)(B) 元代末〜明代初期 個人蔵
 ・摩尼誕生図 元代末〜明代初期 九州国立博物館蔵
 ・聖者伝図(1) 元代末〜明代初期 個人蔵
 ・聖者伝図(2) 元代末〜明代初期 個人蔵
 ・イエス像(伝虚空蔵菩薩像)元代 栖雲寺蔵
 ・マニ像 元代? 現所蔵者不明
従来、マニ教絵画といえばトルファン出土の壁画・写本・幡に描かれた断片的なものであり、全体像が残る一連の江南マニ教絵画は、これまで文献学的に考察されてきたマニ教の世界観を知るうえで重要な資料。

 

●編者・執筆者・訳者
吉田豊(京都大学大学院文学研究科教授/イラン語史、中央アジア出土文献研究)
古川攝一(大和文華館学芸員/仏教絵画史)
泉武夫(東北大学教授/日本仏教絵画史)
Zsuzsanna Gulácsi(アリゾナ大学比較文化学講座教授/美術史・宗教学、マニ教美術)
Kósa Gábor(エトヴェシュ・ロラーンド大学中国学教授/中国宗教史、マニ教研究)
〈訳者〉
井上尚実(大谷大学真宗学科准教授/真宗学・仏教学・宗教学)
池松 パプ ガブリエラ(ハンガリー出身。カーロリ・ガーシュパール大学日本語学科卒)
池松裕史(東京大学法学部卒)

 

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