トンブクトゥ
交界都市の歴史と現在

応地利明著
B5判・クロス上製・紙カバー装・464頁
本体17,000円+税

ISBN978-4-653-04314-0


14世紀から16世紀にかけて、地中海世界とブラック・アフリカとをむすぶサハラ縦断塩金交易をもとに、「黄金郷」また「イスラームの学林」として憧憬されつづけたトンブクトゥ。史資料と歴史研究の成果を踏まえて同交易の実態を探り、その特質をアジアのシルクロードと交叉させて明らかにする。さらに近年の臨地調査をもとに、現在のトンブクトゥとそこに生きる人びとの活動を実証的にかつ壮大なスケールで描き出す!

<目次>
はじめに
T トンブクトゥ幻想――カタローニア図からルネ・カイエまで
 トンブクトゥをカタローニア図に読む
 トンブクトゥ幻想の肥大と持続
 落魄と荒涼――ルネ・カイエの幻滅
U 砂丘列のなかの構築港市
 ニジェール川大湾曲部とトンブクトゥ
 掘り込まれた河港――小地形と外港・可航水路
V 都市編成の構造分析――形態論からのアプローチ
 市壁と袋小路の欠如――マグレブ都市との相違
 新旧2つの市街地――グリッド・パターンをめぐって
W サハラ縦断塩金交易――シルク・ロードとの対比
 塩金交易の成立基盤――生態系の縦断と並走
 「塩金の道」と「絹の道」――遷移と固定をめぐって
X「黒人たちの国々」への道――成立と西遷
 サハラ東西交易路の廃絶――気候変動の所産か?
 サハラ縦断南北交易の成立
 サハラ縦断西方ルート――アル・バクリーの記載から
 サハラ縦断中央ルート――イブン・バットゥータの道
Y トンブクトゥ簡史――栄光と凋落
 アル・サァディーの記載から――起源と成長
 塩金交易の拠点都市への発展――繁栄中心の東遷
 銃によるエル-ドラド奪取――新大陸征服の再演
Z 最盛期のトンブクトゥ――歴史地理と施設配置
 栄光の残照景観――拠点施設の比定と現状
 最盛期の都市構成――双子町から多極へ
 都市構成の模式的提示――磁極としての「小市場」
 トンブクトゥをめぐる交易――商品の諸相
[ 近現代のトンブクトゥ――植民都市への改変
 西スーダーンの植民地化――「新しいインド」の建設
 公的施設の配置――中心の創出と土着化
 大区と小区――自律的空間組織から行政的下部単位へ
\ 人口構成とエスニシティ――諸集団共住の実態
 1996年人口調査――資料としての家族帳簿
 人口とエスニシティ――14の在住集団
 エスニック集団と居住隔離――過去半世紀間の変動
 居住変動のエスニシティ――1990年〜1999年
] トンブクトゥ町家論――「住まい」と「住まう」
 町家のモノ的側面――剛構造の装飾建築
 町家のコト的側面――「口」と「奥」の2項対位
XT 家族の職業――大区別・エスニシティ別特性
 家族単位の職業集計――方針と分類
 全体的概観――都市的と非都市的の拮抗
 大区別職業構成――旧市と新市の異質・対照性
 エスニシティと職業
XV 市場活動のエスニシティ・ジェンダー(U)――「小市場(ヨブ・カイナ)」
 「小市場」の立地と構成――サハラと内陸デルタへの「勝手口」
 「小市場」の売り手たち―集団・性・商品
 細分類レベルでの店舗・売り手構成
XW 市場活動のエスニシティ・ジェンダー(V)――「近隣市場(アルバメ市場)」
 アルバメ市場の立地と構成――「市の立つ広場」
 「近隣市場」の売り手たち―集団・業種
 店舗の細分類とジェンダー――食と基本生活財のバーザール
XX トンブクトゥ周辺の農耕――ニジェール川と砂丘の賜物
 ウンドゥ・ボンゴ・コイナ村の概観
 氾濫湿地の稲作――アジアとの対比
 稲作地の民俗分類と稲作技術――ベンガルとの対比
 古砂丘列の畑作穀物農耕――トウジンビエとコムギ
注・トンブクトゥ関連年表・おわりに

●著者   
応地利明(おうじ としあき)
京都大学名誉教授。『絵地図の世界像』岩波新書、1996年。『「世界地図」の誕生』日本経済新聞出版社、2007年。『生態・生業・民族の交響』(「中央ユーラシア環境史」4)臨川書店、2012年など。

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