風姿花伝研究

重田みち著
A5判・上製・クロス、紙カバー、868頁
税込9,900円(本体9,000円+税)

ISBN978-4-653-04569-4【2024年2月刊】


『風姿花伝』成立にいたる世阿弥の思考と著述過程を、禅や儒学、権力者との関係など、彼をとりまく多彩な文化環境に着目して全面的に明らかにする。本文改訂の痕跡を追究するダイナミックな文献学の手法で世阿弥能楽論研究を大きく刷新するとともに、足利義満・義持時代の文化に新たな光を照射する一冊。新校訂本文も付す。

<目次>
凡 例
序 論
本 論
上篇 世阿弥による藝論の書き換えとその意味―『風姿花伝』成立までの道すじ―
 第一章 花修篇の本文改変―足利義持期における世阿弥の方針転換―
 第二章 花修篇・別紙口伝に見える敬語と相伝時の書き換え―被伝授者四郎への伝言―
 第三章 別紙口伝の著述の過程―義満期の草稿の推定および義持期における書き換え―
 第四章 衆人愛敬論と義持の増阿弥厚遇との関係―世阿弥の観客に対する思想の変化―
 第五章 足利義持と能役者増阿弥―『風姿花伝』成立背景としての両者の存在の意味―
 第六章 「まことの花」の概念の形成―「年々去来の花」の論との関係―
 第七章 奥義篇著述の動機と過程―『風姿花伝』成立時期および原奥義篇の推定を含めて―
 第八章 花修篇の成立過程・性格および成立後のゆくえ―義満晩年期における観世座の新方針の具体化から義持期における伝書解体まで―
 第九章 神儀篇の成立経緯と著述の意図―「申楽」命名説を軸として―
下篇 『花伝』『風姿花伝』における用語・概念―世阿弥のことばの獲得と藝論の展開―
 第十章 大様なる能と世阿弥の祝言脇能の確立―近江猿楽・田楽新座の藝との関係―
 第十一章 「幽玄」の「花」との関係―二条良基と世阿弥の美への意識を中心に―
 第十二章 「人体」の概念と物まね論の質的変化
 第十三章 〈歌舞能〉の形成―「舞」「はたらき」「花鳥風月」「歌道」―
 第十四章 世阿弥の「十体」「風体」の由来と用法
 第十五章 儒学・禅・仏教の語彙と中国の文章表現の影響
 第十六章 世阿弥の能楽論における朱子学の影響
 第十七章 「花」の獲得―初期三篇から『花伝』の命名へ―
 第十八章 「風姿」と「風」「姿」―『風姿花伝』という伝書名―
 第十九章 『花伝』『風姿花伝』の著述過程・成立時期に関するまとめと補足的考察
結 論
文献一覧
附 録
 『花伝』『風姿花伝』校訂本文
 (一)『風姿花伝』校訂本文
 (二)『花伝』第六 花修篇 校訂本文
 (三)『花伝』第七 別紙口伝 校訂本文二種
後 記(初出一覧、後記)
索 引(人名索引/書名・曲名索引/伝書用語・事項索引)

●著者   
重田みち
京都芸術大学大学院教授

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