石井修道 著 ■四六判上製・266頁 税込3,300円(本体3,000円+税) 発売中 ISBN
978-4-653-03993-8
江戸時代より『参同契(さんどうかい)』を離れて石頭希遷(せきとうきせん)の面目無しと言われてきた。その偏向した呪縛を解放して、本書は『祖堂集』によって石頭禅の核心に迫った新たな試論である。では、石頭禅の核心とは何か。石頭の「己霊(これい)をも重んぜず(自己向上)」の語に端的に表現されていると確信する。敢えて一言にまとめるならば、自己完結を拒否しつづけた禅者ということになろう。
【 目次 】
第1章 石頭希遷の生涯
第1節 石頭の生まれた頃/第2節 六祖慧能と石頭のふるさと/第3節 石頭の出家
第4節 青原行思への参学―尋思去の話/第5節 青原の大斧を受ける―石頭の嗣法の物語
第6節 石頭の名のいわれ―南台寺を開く/第7節 高齢で南嶽において示寂
第2章 石頭の禅風
第1節 圭峰宗密の石頭禅観/第2節 露柱に聞いてみよ―不会仏法
第3節 二大士に見えずんば無知と為す―石頭と馬祖
第3章 石頭系の禅の確立
第1節 薬山惟儼/第2節 江西は雑貨鋪・石頭は真金鋪
第3節 夾山善会の誕生の物語―一句合頭語、万劫?驢?―
第4章 『参同契』と『草庵歌』
第一節 『参同契』/第二節 『草庵歌』