韓国の世界遺産 宗廟
王位の正統性をめぐる歴史

京大人文研東方学叢書 1

矢木 毅著
四六判・上製・紙カバー装・帯付・224頁
本体3,000円+税

ISBN978-4-653-04371-3


1995年、優れた歴史性と独特の建築様式からユネスコ世界文化遺産に登録された韓国の宗廟。 宗廟とは、歴代の王および王妃の位牌をまつる霊廟であり、その変遷は朝鮮王朝の歴史そのもの ともいえる。当時の儒教知識人たちが繰り広げた宗廟の祭祀をめぐる議論を紹介しながら、その 背景にある儒教思想の本質にせまり、王位継承者の選定から知識人の党争まで――あらまし五百 年におよぶ王朝国家の実像をあぶりだす。歴史にたち現れる朝鮮民族の姿とは。

<目次>
第一章 朝鮮王朝と宗廟
 第一節 宗廟の沿革――いつ建てられたのか
 第二節 宗廟の祭祀――なにを祀るのか
 第三節 宗廟と王陵――お墓との違い
  附 漢陽都城
第二章 さまざまな廟の創設
 第一節 宗廟(太廟)――宗廟の本殿
 第二節 永寧殿(廟)――宗廟の別殿
 第三節 文昭殿(原廟)――もう一つの宗廟
  附 士大夫の家廟
第三章 昭穆をめぐる論争
 第一節 昭穆のシステム――世代間の秩序
 第二節 本生父の扱い――「父」か「おじ」か
 第三節 先儒の定論――朱子のおしえ
第四章 王位継承の現実
 第一節 太祖から睿宗まで――初期のゴタゴタ
 第二節 成宗と燕山君――名君か暴君か
 第三節 中宗から宣祖まで――士林派の成長
  附 朝鮮時代の党争
第五章 礼論と廟制
 第一節 宗廟再建の議論――理想の宗廟をめざして
 第二節 礼訟の時代――理想の先鋭化
 第三節 宋時烈の廟制改革論――朝鮮随一の朱子学者
  附 朝鮮後期の国際環境
第六章 再び、王位継承の現実
 第一節 某年義理――朝鮮王室の悲劇
 第二節 正祖の後裔たち――王室の衰退
 第三節 廟制の乱脈――形式だけが完備される
第七章 大韓帝国と宗廟
 第一節 大院君と高宗――王朝支配の再建をめざして
 第二節 宗廟のその後――国破れて宗廟あり
終  章 民族の「正体性」を求めて――その「正しいあり方」とは?

●著者
矢木 毅 (やぎ たけし)
京都大学人文科学研究所教授。専門は朝鮮中世近世史、特に政治史・政治制度史。主な著書に『韓国・朝鮮史の系譜』(塙書房2012)、『高麗官僚制度研究』(京大出版会2008)などがある。

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