術数学の思考
交叉する科学と占術

京大人文研東方学叢書 5

武田時昌著
四六判・上製・紙カバー装・帯付 総288頁
本体3,000円+税

ISBN978-4-653-04375-1


術数学とは何か? 中国思想史、科学史の新たな地平を切り拓く!

科学と迷信が峻別されない時代において、その境界領域にはどのような思考が発揮されていたのか――自然科学の諸分野が『易』を中核とする占術と複合した中国特有の学問「術数学」。先秦に「方術」と呼ばれた自然探究の学問が、漢代思想革命を経て「術数学」へと変容する過程を描きながら、自然の摂理にもとづく社会のあり方、人間の生き方を追求した中国的思考のルーツにせまる。

<目次>
はじめに
 序 論 中国科学の新展開――術数学という研究領域
第一部 術数学のパラダイム形成
 第一章 陰陽五行説はいかに形成されたか
  無から有への万物生成論――中国的二元論
  五行と六徳、天道と人道――思孟学派の五行説
  刑徳を推す兵法――中国占術理論の起源
  天の六気、地の五行――五行説の初源的数理
  灸経から鍼経へ――漢代鍼灸革命の道
 第二章 物類相感説と精誠の哲学
  同類、同気の親和力――天人感応のメカニズム
  類推思考と不可知論――自然探究の方法論
  精誠、天を感動させる――技能者と賢妻の精通力
  王充の迷信批判と占術論――「気」の自然学
第二部 漢代思想革命の構造
 第一章 原始儒家思想の脱構築
  諸子百家から儒教独尊へ――思想空間の漢代的変容
  災異、讖緯と天文占――政治思想と天文暦数学
  老子と孔子の交錯――易の台頭と京氏易
  世紀末の予言と革命――王莽と光武帝のクーデター
 第二章 漢代終末論と緯書思想
  秦漢帝国の改暦事業――易姓革命のサイエンス
  五星会聚の暦元節――顓頊暦の惑星運動論
  聖王出現の暦運サイクル――孟子から緯書へ
  天地開闢説と古代史の創造――緯書暦の数理構造
 附 録 術数学研究を振り返って(参考文献)
 結びにかえて / 索 引

●著者
武田時昌(たけだ ときまさ)
京都大学人文科学研究所教授。専門は中国科学思想史。編著に『術数学の射程―東アジアの知の伝統』(京都大学人文科学研究所、2014)『陰陽五行のサイエンス』(同、2011)などがある。

「京大人文研東方学叢書 第一期」全巻紹介ページ

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