寺院文献資料学の新展開 全12巻

≪2019年10月刊行開始!≫ 【呈内容見本】

中山一麿監修
落合博志・伊藤 聡・山﨑 淳編
菊判・上製・クロス表紙・カバー装・各巻平均500頁
各巻予価 18,000円+税
 ISBN978-4-653-04540-3(セット)

中央の主要寺院との関わりの中で注目される地方寺院の悉皆調査の成果を、論文および資料翻刻・解題により紹介。個々の資料分析にとどまらず、長きにわたって各寺院の経蔵に蓄積・伝存してきた聖教類の集合体としての意味を問うとともに、10カ寺近くに及ぶ寺院調査の成果を横断的に考察し、寺院間ネットワークの実態を明らかにする。

【各巻内容】  収録内容は変更の可能性があります
第1巻 覚城院資料の調査と研究Ⅰ (編=中山一麿)定価18,000円+税
第2巻 覚城院資料の調査と研究Ⅱ(編=中山一麿)
第3巻 覚城院資料の調査と研究Ⅲ 覚城院信源本目録(編=中山一麿)
第4巻 安住院資料の調査と研究(編=中山一麿)
第5巻 中四国諸寺院Ⅰ(編=落合博志)
第6巻 中四国諸寺院Ⅱ(編=中山一麿・山﨑 淳)
第7巻 中四国諸寺院Ⅲ(編= 落合博志)
第8巻 近世仏教資料の諸相Ⅰ 新安流とその周縁(編=山﨑 淳)
第9巻 近世仏教資料の諸相Ⅱ(編=山﨑 淳)
第10巻 神道資料の調査と研究Ⅰ 玉水流特集(編=伊藤 聡)
第11巻 神道資料の調査と研究Ⅱ(編=伊藤 聡)
第12巻 諸寺稀覯書集(編=落合博志・伊藤 聡) 

<編集委員> 所属は2019年10月現在
中山一麿 大阪大学文学研究科招へい研究員
落合博志 国文学研究資料館教授
伊藤 聡 茨城大学人文社会科学部教授
山﨑 淳 武庫川女子大学教授


【推薦文】

寺院資料学の沃野へ          小峯和明(立教大学名誉教授)

 近年、人文学退潮路線に抗して、文学、歴史、宗教、美術、民俗等々、諸領域の連携や相互乗り入れが急速に展開し、あらたな研究の地平を形作りつつある。とりわけめざましい分野の代表が諸寺院に所蔵される聖教、典籍文書類の悉皆調査にもとづく研究であろう。それらは単なる新出資料の紹介や特定ジャンルの枠内にとどまらず、前近代の学と知の全体像を浮き彫りにする総合的、体系的な方位に進展してきている。これらを総じて「寺院資料学」と名付けることができるが、従前は仁和寺や醍醐寺、高山寺、真福寺など国宝・重文クラスを擁する著名な大寺院ばかりが着目され、在地の中小の寺院は見のがされがちであった。 この度の寺院資料学叢書の企画は、殊に各地域の一般的に名も知られていない寺院資料調査の積年の成果をふまえたもので、学僧達によって精魂傾けて記述され書写され、刻印されたであろう、典籍文書類を一点ごとに丹念に地道に調査し、その価値を明らかにする、きわめて意欲的な試みである。埋もれていた資料に光を当てて今日に甦らせる営為、そこに学問研究の醍醐味もあり、まさに今後の研究の動向を大きく左右する力を持っている。  本叢書の公刊によって、あらたな研究のステージがどのように拓かれていくか、大いなる期待を持って見守りたいと思う。

 

『寺院文献資料学の新展開』に期待する
             末木文美士(国際日本文化研究センター名誉教授)

 昨年完結した『中世禅籍叢刊』は、主として真福寺所蔵本に称名寺所蔵本を併せる形で編集を進めたが、最後の段階になって、覚城院から『密宗超過仏祖決』の寂雲自筆写本が発見され、大騒ぎになった。寂雲は真福寺を創建した能信の師であり、その自筆本が真福寺から四国の覚城院に移った経緯もほぼ解明された。それによって当時の仏教者のネットワークの一端が明らかになった。同写本は、シリーズの最終巻の第十二巻に収められ、中山一麿氏、伊藤聡氏に解題を執筆していただいた。今回、その覚城院聖教の調査報告をはじめとして、従来知られていなかった多くの寺院資料が紹介され、その研究状況が明らかになることは、きわめて大きな意義のあることである。また、本シリーズには近世仏教資料の巻が設けられているのも嬉しいことである。近世資料は中世資料に比べて価値の低いものと考えられ、ほとんど研究されないまま多くの寺院に死蔵されている。新安流の浄厳は近世仏教の中でももっと高く評価される必要があるだろう。また、神道の玉水流も近世資料が主ということで、これまでほとんど知られていなかった。今後近世仏教史が大きく書き換えられる第一歩になるものと、いまから胸を躍らせている。

 

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